2019.08.21
みなさん、こんにちは! 2019年度入社新卒1年目、介護事業部営業の上妻です。大学時代に1年間、1人暮らしのおばあちゃんと同居生活をした経験から介護分野に興味を持つようになり、介護保険制度を勉強し、リジョブに入社しました。
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今回は、リジョブ本社で開催された“介護業界のこれからを考えるイベント”について、レポートします。
3月に移転した本社新オフィスには「最大100名規模のイベントが開催できる、桜が咲く芝生スペース」があり、志をともにする団体に会場協賛という形で使っていただくこともあります。そして介護領域に志を持つ、若い世代を中心としたコミュニティ「KAIGO LEADERS」さん主催のイベントを定期的に開催しています。
ちなみに前回のイベントレポートはこちら。前回は“スーパー官僚”と巷で話題の、経済産業省の江崎禎英(えさき・よしひで)政策統括調整官が登壇され、これからの健康長寿社会の課題解決にとって重要なポイントを解説くださりました。自分の働くオフィスで業界のイベントに参加できるなんて本当にありがたいです!
今回の講演テーマは“地域コミュニティ”。講師には、日本初となる「UR賃貸住宅のひと部屋を利用した介護事業所を開設」した菅原健介さんを招き、「地域の暮らしはみんなでつくる。“ぐるんとびー”に学ぶ全員参加のまちづくり」というタイトルでこれまでの取り組みと今後実現したい社会について語っていただきました。菅原さんは、広告代理店勤務経験や理学療法士としての病院勤務といった経験を経て「ぐるんとびー」の開設に至るといった、面白い経歴を持った方です。
ぐるんとびーでは「地域を、ひとつの大きな家族に!」を掲げ、小規模多機能ホームや訪問介護ステーションを運営しています。少子高齢化や核家族化が進み、地域コミュニティの重要性がフォーカスされる昨今の社会状況を背景に、「国の現行制度としての介護サービスの枠にとどまらず、地域住民との交流の下で生活支援をする」新しい形の地域でのコミュニティづくりを推進されています。
そんな菅原さんの今回のお話のキーワードは、「共生」でした。私たちがこれからの高齢期を幸せに暮らしていくためには、この「共生」のあり方がとても大事になってくると。
菅原さんは「Always Why」をモットーに、常識に囚われない発想を大事にしています。デンマークでの生活の経験を持つ菅原さんは、例えば「日本では冬に外で昼寝をする事は考えられないけれど、デンマークではむしろ健康促進のため推奨されている」など、日本で常識とされていることも場所が変われば通用しなかったり、逆に日本では非常識とされていることが常識になる場合もあると語ってくれました。
(会場ではお食事も提供していました~♪)
そんな菅原さんが高齢者への支援を考える際、何より大切な出発点としているのは「本人がHAPPYに生きること」。既存の支援プログラムを相手に当てはめるのではなく、本人が幸せに思うこと、本人にとって幸せだと思うことを一番大事に、そのための支援の在り方を考えるスタンスを貫いています。
ただ、この「本人がHAPPYに生きること」を現行制度のもとで追求しようとすると、幾つもの壁にぶつかるのです。それが「制度」の壁です。前回の江崎さんの講演にもありましたが、日本では数十年前、「誰もが高齢期となり身体的不自由を抱えることになっても幸せに生きることができるように」と、高齢者の方々を社会的に支える介護保険制度を作り出しました。事実、この介護保険制度は多くの先進国にお手本とされてきています。
しかしそんな素晴らしい制度も、制度が作られた当時と比べ、少子高齢化や核家族化が進む現在にはそぐわない面も出てきており、限られた財源の使い道を改めて考える時がきたように思います。そして財源の制約ゆえに介護が「必要」と判断されなければ利用することができません。私たちの税金や保険料によって利用されるものであるがゆえに、その「必要性」が問われます。ここで、この「必要性」をめぐって意見が分かれることになるのです。
もっと具体的に言うと、高齢者の方が「HAPPYに生きること」を実現しようとする際、「それは介護保険サービスで対応すべきなのか?」ということが問題になります。例えば、要介護の高齢者が地域のお祭りに行きたいと思ったが自力では行くことが出来ない時、それは介護保険サービスで対応すべきなのか。
もしくは、海外に住んでいる娘が、親が住む家にカメラをつけ、そのカメラ越しに親の状態が心配になったとき、それは介護保険サービスで対応すべきなのか。布団の洗濯や家電の設置なども介護保険サービスで対応すべきなのか。
…これは紋切り型に答が出せない課題だからこそ、地域としての新たな「共生」のあり方が重要になってきます、というのが菅原さんの話の重要なポイントでした。
私たちの支え合いのあり方を、制度だけで保障するのではなく、民間サービスやボランティアのカタチでも支えていく。菅原さんはそのための仕組みづくりを、団地というコミュニティの中で行われているのです。
例えばそれは、ちょっとしたお手伝いのための御用聞き(有償)だったり、社会的に弱い立場とされる要介護高齢者とシングルマザー相互による「ルームシェア」という仕組みだったり。または、近所の高齢者や要介護高齢者/不登校児/障害児などが集まれる場づくりだったり。
家族や近所の血縁地縁の支え合いが弱くなり、だからといって制度によって全てが解決できるとは言えないこの時代の中で、新たな支え合いの作り直しが求められていると思います。そして菅原さんは、このような状況を踏まえ「本人がHAPPYに生きること。」を実現するため、介護保険制度の枠を超えて、支え合いの様々な仕組みを作り直しておられるのです。
そしてもちろん、我々リジョブも新たな仕組みを生み出し現行の制度だけでは解決できない問題に取り組んできたという点では、菅原さんの姿勢と重なる部分があると思います。
例えば10年前、リジョブが創業した際には、美容・ヘルスケア業界の求人コストを従来の1/3~1/2に削減する新たなビジネスモデル≒それまでに無かった新しい仕組みを構築。この仕組みがサロンオーナーを中心に圧倒的に支持され、サービス開始後約5年で業界トップクラスのシェアを獲得しました。
そして今、リジョブが新たに注力する仕組みの一つが「介護シェアリング」です。
リジョブでは、介護業務を細分化して、食事介助や送迎、レクレーション等の業務ごとに特化した短時間での働き方を推進しています。この取り組みによって、介護未経験ながら意欲の高い層、出産や子育て等でブランクのある有資格者、「介護の仕事に誇りを持っているが、フルタイムでは働けず退職した」といったリタイア層にも仕事の選択肢を提供することが可能になりました。そして、人手不足が深刻な介護業界において、介護の仕事に関わる人たちのすそ野を増やすということを行っています。
実際には、従来の制度とうまく共存する形で介護シェアリングを現場に導入すること、それにより「事業者・介護ワーカー・サービスを受ける方」にとって三方善しとなっていく事が重要であり、その為にも私たちは、より現場と連携したサービスを開発することが求められています。
また、2018年より、日本の食文化(稲作)を通じて、高齢化社会や子供の貧困などの社会課題を解決するプロジェクトを実施。地域の人々と稲作に触れ合うことを通して年代を超えたコミュニティを作り、緑豊かな社会の実現を目指しています。
(6月に田植えイベントが開催されました☆こちらは、昨年の稲刈りイベントのレポートです)
私たちは少子高齢化が加速するこれからの時代を生き抜くために、制度による支え合いだけではなく、民間サービスやお隣近所での助け合いを含めた新たな支え合いのあり方を作り直していかなければならないと思います。
僕もリジョブの介護事業の一員として、そのような新しい支え合いの仕組みをどんどん広げていければと思いますし、シェアリング以外の「支え合いの新しい仕組み」創りにも積極的に関わりたいと思っています。
記事を読んで少しでも興味を持っていただけた方、またイベントに参加してみたいという方いらっしゃいましたら、ぜひリジョブオフィスに遊びに来てください☆
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