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課題解決する人の成長プロセスとは?

社会人としての「成長」とは?

人の成長意義とは

人として、社会人としての「成長」には、どんな意味があるのでしょうか。そもそも、人は必ず成長しなければならないのでしょうか。

広辞苑には、成長とは「育って大きくなること」とあります。そして育つという意味と同時に、規模の拡大という意味も国語辞典に共通しています。すなわち育つこと、その結果として規模が大きくなることを「成長」と捉えることができます。

日々、私たちが直面する課題や事象には、自身の健康状態といったものから職場での問題、国際情勢、気候変動等々さまざまなものがあります。その中には自身の努力次第でコントロールできるものも、コントロールが及びにくく手に負えないものもあるでしょう。

「社会人」として成長するということは、自身の影響力によってコントロールが及ぶ世界、すなわち変えられる世界を拡げていくことにつながります。そして、その人自身が及ぼす影響力によって、少しでも世の中や誰かにプラスの価値を生み出すことができたら、それこそがその人の成長意義なのかもしれません。

成長は目的ではなく手段

社会人として「成長」が必要となるのは、目標達成など何らかの必要性が生じる時が多く感じられます。そのため、成長自体は最終目標ではありません。「何のために成長したいのか」という志や目的、個人の想いが成長の動機となるのかもしれません。

ただし、様々な想いが行き交う社会において、個人の想いを実現させるためには、あらゆるスキルの向上が欠かせません。そして一般的には、ビジネスにおいて必要なスキルには以下3つの種類があると言われています。

  • 【1】テクニカルスキル

    仕事をする上で必要とされる専門的・技術的なスキル。

    例)デザインスキル、マーケティングスキル、文章力、ITリテラシーなど

  • 【2】ヒューマンスキル

    対人関係に必要なスキル。 職場の人間関係をより良くし、企業全体の生産性を高める。

    例)コミュニケーション能力、リーダーシップ、傾聴力、プレゼンテーション能力など

  • 【3】コンセプチュアルスキル

    課題解決に必要なスキル。マネジメント層には特に求められる。

    例) 分析力、判断力、決断力、課題の本質を見極める力など

これらのスキルの向上には、反復学習を行う継続力や忍耐力などが必要です。ここで、くり返しの作業を続けていくためには、「何のために成長したいのか」という、目的と目の前の作業を関連付け・意味付けする力も必要とされます。

また、社会で成長し、活躍するためにはこれらのスキル向上とともに、スタンス、すなわち仕事に向き合う姿勢の醸成が欠かせません。ビジネススタンスは、自身の仕事観とも言え、早い時期にスタンスを確立することが、その後の成長やパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。

ここまでは、ごく一般的な「社会人としての活躍すること」について述べました。では、社会課題を解決する人材となるためには、加えてどのような自己の成長が必要なのでしょうか。

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個人の人間的成長段階

ビジョンの追求

社会課題を解決できる人として成長するためには、個人の主体性が欠かせません。主体性は志、すなわち自分自身の志とも言えるビジョンを追求し、実現し続ける姿勢とも言い換えられます。

1人ひとりが仕事やキャリア、人生についてのビジョンを明確に持つことは、自身の意欲を駆り立てる力となり、個人の成長につながります。また、ビジョンは「一度決めたら終わり」ではなく、継続的に深めること、ビジョン実現に向けて能力を高める努力が欠かせません。人生において自分が本当に求めている結果を生み出すために、自身の能力と意識を絶えず伸ばし続けることが、真の成長となります。

[ 課題の奥に潜むメンタルモデル ]

自身の抱えるビジョンを達成していくプロセスの中で、順風満帆な道とは限りません。何か困難な事が起きた時に、解決する方法は多くありますが、「個人の内側」にそのヒントがあることが多々見受けられます。それは自身の「メンタルモデル」です。

メンタルモデルとは、個人の経験や環境などから形成される、「現実に起きた事象をどのように認識し、解釈するのか」を決める無意識の価値観のことを指します。メンタルモデルはあらゆる思考や行動の根底にあるもので、元々は認知心理学の用語です。

ある出来事が生じた時、出来事の背景を階層化していくと「出来事」「時系列パターン」「構造」「メンタルモデル」という4つのレベルに分かれ、根源にあるのが「メンタルモデル」です。そのため、個人が成長するには、メンタルモデル自体の成長が不可欠です。そして他人と関わり仕事や物事を推進する際には、相手のメンタルモデルを理解しようと努めたうえで、どこに認識の相違が起きているのかを観察することが求められます。

できごと 時系列パターン 構造 メンタルモデル

「氷山の一角」という言葉がありますが、現実の氷山では約8割が水面下で見えないのと同様、現実に起きている出来事の下には、多くのことが隠され、積み重なっています。例えば火事が起きた時に、「できごと」レベルで対策を考えると“消火する(対症的)”となりますが、第2階層の「パターン」レベルで考えると“過去のデータを調べて対策を取る(計画的)”となります。さらに第3階層の「構造」レベルで考えると“火事の原因をつかみ、根本対策を取る(戦略的)”となり、最も深い第4階層の「メンタルモデル」レベルに至っては“火事の無い地域を創る(創造的)”となります。

目の前で起きているできごとだけに目を奪われて、対症的な対応を繰り返していると、根本的な解決に至らず何度も同じようなできごとが起きることがあります。そのような状況に陥らず、複雑化・多様化する課題やできごとを根本解決できる人となるためには、自身のメンタルモデルを変容させるとともに、他者のメンタルモデルを理解し、本当の意味での「他者と手を取り合える人間性の成長」が求められているといえます。

[ 個人の内省 ]

メンタルモデルの難点として、「自分自身には当たり前すぎて気付きにくい」点が挙げられます。そのため、メンタルモデルの成長には、自分の内側を省みること、すなわち「個人の内省」が重要です。

内省は、自身の体験や行動・思考・感情を見つめ、自身の内側から状況を切り拓く鍵を見出す行為です。内省を行う上で重要なのは、

  • ●実際に起きた事実の検証

    例:自身の行動や会話の記録、第3者による自身のインタビュー など

  • ●謙虚に探求する姿勢

    例:真摯な問い掛け、自分の無知を受け容れる など

  • ●他者に対する主張の伝え方の向上

    例:意図や背景を示す、自身の心や体の感覚を交えて伝える など

と言われます。メンタルモデルは自分自身には見えにくい反面、他人からは見えやすいものです。そのため「なぜ自分はこういう行動を取ったのか」「それに対してなぜ相手はこう反応したのか」という、事実から目をそらさず4つの視点階層をさかのぼり検証することで、時に自己の過ちや矛盾に気付くこともあります。その時、これらを受け容れること自体が、自己のメンタルモデルの深い成長、自分自身の人間的成長へとつながっていきます。そして、自分自身のメンタルモデルが変容することで、他者と本質的に手を取り合えるようになり、社会課題という大きく複雑な課題に対峙できるようになります。

さらに、個人の内省と他者との真摯な対話を繰り返すことでメンタルモデルが成長すると、自身の目的意識やビジョン、志もより醸成されます。それにより、人生を通して心から実現したいと思う、自分自身がエネルギーを注ぐべき道・方向性が見え、それに共有した仲間と手を繋ぎやすくなり、他者と協力できる自身に成長することができます。

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「真の成長」に必要な視点

「全体性」を捉える力

社会課題を解決しようとする人材には、知識・経験・スキルといった個人の能力向上に加えて、全力で課題にコミットする力・利他の心・チャレンジ精神といった意識や主体性が欠かせません。

そして、個人が課題に対峙するとき、関わりのあるすべての人や事象に対し、自分事=当事者意識という意識を拡げ、全ての結果を自分の責任として受け入れる力、いわば「全体性」を捉える力が重要な意味を持ちます。

この「全体性」を捉える力には、

  • ●視座(どこから見るか)

  • ●視野(どこまでを見るか)

  • ●視点(どこを見るか)

の3つのポイントがあり、これらの範囲を絶え間なく拡げ続けること、すなわち当事者意識の範囲拡大が、自分と他者との境界線をなくし、他者と手を取り合い根本的な課題解決をする際の鍵となります。そして、この全体性を捉える力を、リジョブでは「経営者マインド」と呼んでいます。

【個人における全体性】

当事者意識の範囲を拡げ続け、
自分と他者との境界をなくし
全体として捉える力

視座 視野 視点

[ 当事者意識 ]

「当事者意識」とは、文字通り「当事者」と「意識」で構成される言葉です。自分が物事に対して「直接関係している」「責任をもっている」と捉え、主体的に取り組む姿勢や働きかけを指しています。なお、当事者意識の対義語としては「他人事」が挙げられます。

※「当事者意識」の英語表現には、「sense of ownership」「commitment」があります。

当事者意識を持つメリットは、「意欲的に物事に取り組める」「物事に対して責任感が強くなる」「成長スピードが格段に上がる」などがあります。そして、当事者意識の拡がりとともに、関わる人々に与えられる価値も大きくなります。

また、当事者意識は全体性を捉える力とも密接なつながりを持ちます。「あの人の困りごとを解決したい」という、「あの人」の範囲をどこまで拡げていけるのかによって、世の中に与えられる価値が「視座×視野×視点」の三乗で大きくなっていきます。そのため、個人の真の成長には当事者意識の拡大が欠かせないのです。

【個人における当事者意識】

あの人の困りごとを解決したい

視座 個人 → チーム → 会社全体
視野 顧客 → 業界 → 社会
過去 → 現在 → 未来
視点 ヒト モノ カネ etc...

[ LOVE&POWER ]

世界的な紛争解決ファシリテーターである、アダム・カヘン氏の著名な言葉に「POWER AND LOVE」があります。カヘン氏は、あらゆる問題解決の鍵は「POWER(力)」と「LOVE(愛)」のバランスにあり、愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力であると説いています。また、個人間であれ、国家と国家のような関係性であれ、問題解決の鍵は「それぞれがPOWERとLOVEを発揮して、対話によりともに物事を進めていくこと」にあると伝えています。

ちなみに、リジョブでは、個人の成長や組織の成長にあたり、「“自分だけではなく、他者も含めた未来や社会を創っていく”という想い(LOVE)」と、「その想いを“当事者意識をもって実現する力(POWER)”」を根幹においています。なお、このLOVEとPOWERの成長には上限がありません。個人がLOVEでいう当事者意識の範囲をより拡大し、POWERの制限なく成長することが、結果として組織やその外側の社会で活躍する人材へとつながっていきます。

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個人の成長の先にあるもの

ひとりひとりが成長し、
全体性を考える時代に

個人が成長し、当事者意識の幅を拡げていくことで、起きている課題や事象を部分ではなく全体で捉えられるようになります。

生物学者ライアル・ワトソンが創作した『百匹目の猿現象』といわれる、「集団において、同じ思考・行動をする個体がある一定数を超えると、接触のない同類の仲間にも伝播する」という逸話がありますが、ひとりひとりが成長し「自分事」として業界全体・社会全体を考え行動することには、自らが百匹目の猿現象を引き起こすキーパーソンとなる、大きな可能性が秘められています。百人目の猿の想いが、世界を変えていくのです。

「ある島で1匹の猿が偶然、浜辺で芋の泥を落として食べるという、これまでとは違う行動に出た。海水で洗うと芋に塩味がついて、旨かったのだ。すると、その猿の行動を周りの猿が次々と真似をし始め、いつしか百匹以上の群れ全体にその行動が広がった。それからしばらくすると、さらに不思議な現象が起きた。それらの猿とコミュニケーションを取る手段が全くない違う島にいる猿たちまでもが、同じ行動を取り始めたのだ──。」

(イギリスの生物学者 ライアル・ワトソンの言葉より)

個人成長の先にある、
全体が豊かになる社会創造

個人が成長し「私の豊かさ」から「私たちの豊かさ」という全体性を考えられるようになること、そういった個人が集まりチームや組織となることで、ひとりでは成しえない大きな想いや力を発揮し、社会に対するインパクトを創造できるようになります。

リジョブでは、このような「ひとりひとりの人間的成長が社会自体を成長させていく」という信念をもって、個人の成長とチームや組織の成長を育みながら、関わる業界課題・社会課題を解決する事業を推進してきました。

個から全体へと意識を拡げたひとりひとりの成長が、チーム成長・組織成長・業界や社会全体の豊かさへとつながっていく、すなわち個人の成長の究極の行き着く先には、全体の豊かさがあると考えられます。

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